第2作目著書への心温まるメッセージ第5号

投稿日:2012年09月26日

 ~雪舟を目指せ~

 創刊号の発行は浜の真砂の数ほどあるけれど、2号は親知らず海岸から出るヒスイの数ほどに少ない。ましてや鉄ちゃんがホームの先端にへばりついて、走り来る列車を待ち受けて作る写真集とは違って、自分の2本の足で書くのだから大変である。

  創刊号は東京から地続きでの踏破だが、2号は遠隔地からのスタートになり、条件が厳しくなる。聞けば、西は山陽本線、北は常磐線と東北本線を踏破したという。何故そこまでして鉄道つたい歩きをしようとするのか?

 最初はきっと減量のために始めたのであろう。行程の中に,未知への遭遇があり、人の親切やぬくもりに触れて彼が変化していったのではないかと思われる。これからも北海道や九州まで足を進めて、今や《美しい日本の発見》が究極の目的だと彼は語った。また、56歳から歩き始めて73歳でなくなる17年間で日本をくまなく測量して歩いた伊能忠敬が目標であるとも語った。

 しかし、私は48歳で明国(中国)に渡り、本場の水墨画を学び、帰国後は全国を放浪しながら絵を描いた雪舟の方がお似合いのように思う。何故なら雪舟は岡山の出身で、彼の出身である香川とは瀬戸内を隔てたすぐの隣県である。寺に預けられた雪舟の幼少の頃、学問をせずに遊んでばかりいて折檻として柱に縛られたとき、落ちた涙を足の指で生きているような鼠を描き、許されたと言うが、樫原少年もお茶目で他人の言うことを聞かず、自分の信じる道をひたすら進む姿が雪舟によく似ているからである。

 スタンプラリーのような自己満足に終わることなく、多くのシニアに俺も私もチャレンジしてみようと思わせるような成果物を残して欲しい。

               山田 正 氏(大学・会社先輩)

 

 

 

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